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競売には期間入札のほかに特別売却という制度もあります
競売不動産の購入
競売制度を利用すると市場価格よりもリーズナブルな値段で不動産を入手できますが、必ず落札できるというわけではありません。
これに対して、期間入札が不調に終わった時に特別売却が行われることがあります。こちらは基本的に先着順なので高い確率で不動産を取得できます。
特別売却とは
不動産の競売が行われても人気のない物件などは1件も入札がないときがあります。そんな時、裁判所では物件の買受人をもう一度募集します。この制度が特別売却です。
特別売却の特徴は先着順であるということです。売却基準価額の8割(買受可能価額)以上の価額で申し込む必要がありますが、開始当日の開始時間に一人しかいなければ確実に物件を取得できます。期間入札に比べると確実な方法だと言うことができます。
ただし、同時に何人かが申し込んだ場合はその場で入札を行い価額のもっとも高い人が買い受けることになります。
なお、特別売却の期間は競売に比べて短くなっています。最大で1週間しかないので即決即断を迫られます。
物件について調査する時間も十分にあるとはいえません。このため、焦って問題の多い物件を取得してしまわないよう注意する必要があります。
特別売却に必要なお金
競売の場合は入札に先立って保証金を裁判所に納めなければいけませんが、特別売却の場合も申し込みに際して保証金を納付する必要があります。
保証金は売却基準価額の10分の2以上となっています。2,000万円の物件ならば400万円です。わずかな期間にこれだけのお金を用意するのは大変です。特別売却の利用を考えている人はあらかじめお金をプールしておきましょう。
また、保証金のほかに個人ならば住民票、法人ならば登記事項証明書の提出を求められます。
特別売却で不動産を取得できた時は、1ヶ月以内に入札価額から保証金の額を控除した金額を支払わなければいけません。
このお金を支払わないと保証金は裁判所に没収されることになります。
特別売却のときに気をつけなければいけないこと
特別売却は不動産を期間入札よりも確実に取得できるというメリットがあります。その反面、物件について調査する期間が短いというリスクを抱えています。
特別売却でお得な物件はもちろんあります。ただ、入札が一切なかったということは、立ち退きの際に揉めそうだとか、権利関係が複雑な状態だとか、何がしかの問題がある可能性が高いです。
うっかりそういった物件を入手してしまった場合は、所有権移転後に訴訟費用などがかかることが予想されます。訴訟費用がかさむと、入札価額が安かったとしてもトータルではあまりお得とは言えなくなってしまいます。
特別売却を利用するときは期間入札以上に物件を厳しい目でチェックすることが求められています。もっとも、お得なシステムであることは確かですから上手に活用すれば不動産をリーズナブルな価格で入手することが可能です。
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